エンジンの温度分布—エンジンにやさしい取り扱い方法

念願のサーモグラフィーカメラを手に入れて、早速検証に取り掛かる。

久しぶりに「大雪警報」が出たが店内は暖房が効いて24℃程度の室温。

日頃よりお客様にはバイクの暖機運転の重要性をお話しているが、今回は赤外線カメラで撮影した画像を用いてより一層解り易くなるだろう。

エンジン停止状態で屋外に置かれたバイクは数時間の内に外気温まで冷却され、再始動からエンジンが適正温度(100℃前後)になるまでには数分から数十分掛かる。

仮に真夏の炎天下で放置(保管)され、外気温が30℃であった場合、エンジン温度も30℃となるが、この状態からエンジン始動してすぐに走行を始めることはエンジンにとって過酷な状態と言える。

エンジンを構成する部品は外観ではアルミ素材が大部分を占めるがそれぞれの部位によって組成が異なるし、大きな力を受けるクランクシャフト・コネクティングロッド・カムシャフト・トランスミッションギアなどの鉄も多用されている。併せてクランクケース・シリンダー・シリンダーヘッドなどの部品はおよそ鉄のボルトを使用し,適正なトルクで締め付けられていることによってエンジン内部の潤滑油(エンジンオイル)が外部に漏れ出ないように構成されている。

冷間時の金属は収縮し体積が小さくなっているが、これを加熱すれば膨張する。

外気温まで冷却されたエンジンを始動して10分程度の暖機運転をした場合のエンジン各部の温度とその分布を考察することで「エンジンにやさしい取り扱い」をご理解いただければ幸いです。

以下の画像はヤマハ・Tricker(DG10J)をサンプルにエンジンの左側を撮影したものです。

可視光により撮影した画像のポジションのまま、およそ30秒毎に赤外線撮影した画像の左上から右へ更に下段へと時系列になっています。

エンジン始動時からの温度変化と温度分布

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